アーノルドが音楽を担当した映画「第六の幸福をもたらす宿」は、イギリスのアラン・パージェス原作の小説「小柄な婦人」にもとづいて、1958年、アメリカの20世紀フォックスによって、マーク・ロブソンを監督に起用して、イギリスで制作されました。映画の原タイトルは「The Inn of the Sixth Happiness」で、ここでは「第六の幸福をもたらす宿」と訳されていますが、1959 年春に日本で封切られたときのタイトルは「第六の幸福」でした。映画のあらすじは次のようなものです。
アイルワードは努力しますが、なかなか風土に溶けこめません。しかしロウソンが事故死して、自分ひとりで切り盛りせねばならなくなりました。ドイツ人と中国の混血の軍人リン・ナンが政府の使いとして村にきて、村長に纏足(てんそく)の禁止を伝えますが、うまくいきません。アイルワードは村長を助けて、禁止を実行させ、また囚人の暴動を鎮めたりして、次第に村人から信用、尊敬されるようになっていきます。しかし、リン・ナンが日本軍の侵攻が近いことを知らせ、村長はキリスト教に改宗して村人とともに去っていきます。村に留まる彼女の下に100人ほどの孤児たちが集まり、彼女はこの子たちを安全な西安の町まで、山道をたどって送り届けねばならなくなります。飢えと疲れで何度も危険な自に遭いますが、ロープを頼りに谷川を泳いで、渡り、寒さに震える子どもたちにイギリスの童謡「ジス・オールドマン・テルズ・アス・オール・イズ・ウェル」(This old man tells us all is well、お爺さんが「すべてうまくいく」と言った)を歌って励まします。やっとたどりついた西安で、彼女はその努力が伝道団に認められます。大任を果たしたアイルワードはリン・ナンと合流して村を再建するため戻っていきます。