オックスフォード大学出版局より刊行中の入門書シリーズ「Very Short Introductions」のひとつ「Music」の翻訳書。新しい見解や専門的な分析を盛り込みつつ難解なテーマを平易に説くというシリーズの方針は、本書でも踏襲されている。本翻訳では、気鋭の音楽学者が、西洋の音楽伝統にとどまらない様々なトピックの可能性を、やさしい文体で紹介。音楽学と民族音楽を分けた現在のアカデミアのあり様は今日では無意味と気づいた自身の経験をもとに、リアルな人びとがリアルな世界で共存する中で混ざり合う「諸音楽」について考えるためのテーマを5つの視点から説く。翻訳は、著者と懇意の東京藝術大学音楽学部楽理科教授・福中冬子氏。 知識・教養はもちろん、今の時代に求められている「考える力」「問題発見の能力」を身につけるための格好の1冊。レポート作成や自由研究のテーマ選びに、ゼミでのディスカッション用テキストに、読書会の題材に、手始めの1冊として役立つ。