㈱音楽之友社
作曲家◎人と作品 ハイドン
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定番伝記シリーズの23作目は、満を持しての『ハイドン』。「生涯篇」では、気鋭のハイドン研究者である著者が、“ハイドンの精神”に則って、その人生で起きたさまざまな出来事を、あたかもその当時にタイムスリップしたように描写している。ハイドンの音楽のような文体は、小気味よく整然としており、偉大な作曲家の人生を一気に読み通すことができる。
一方の「作品篇」では、コンパクトながらも音楽の内容にまで踏み込んだ記述がされており、各作品の創作背景や概要が手に取るように理解できる。交響曲、弦楽四重奏曲、クラヴィーアソナタといった主要なジャンルは時代別の特徴に詳しく、後期の大作である《天地創造》や《四季》などのオラトリオは、作品ごとに解説されている。さらに膨大な作品群については、バリトン三重奏曲に至るまで「ジャンル別作品一覧」で作品番号とともに一望でき、作品目録としても大変便利。すべての音楽ファンに手にしていただきたい一冊。
本書を読むために
■生涯篇
ローラウ今昔
心地よい歌声を持つ少年──幼少期
ハイドンの家系/ハープと歌のある家庭/ハインブルクでの日々
音楽家として生きる──ウィーンでの青年時代
ウィーン──華麗なるバロック都市/少年合唱隊の日々/自立への道/ポルポラとの出会い/カール・フィリップ・エマヌエル・バッハとの出会い/ウィーン時代の懐事情と交友関係/《せむしの悪魔》の作曲/はじめての弦楽四重奏曲/モルツィン伯爵家の音楽監督に/結婚
孤絶が生んだ独創性──エステルハージ家時代 一(一七六一~一七七九)
エステルハージ家宮廷副楽長に/アイゼンシュタットとエステルハージ家/「朝「昼」「夕」の三部作/エステルハージ家の宮廷楽団/新しい主君──ニコラウス・エステルハージ侯爵/エステルハージ家での職務/ヴェルナー最後の反撃?/転機──一七六六年/エステルハーザ──「ハンガリーのヴェルサイユ」/「おわかれ交響曲」/孤絶が生んだ独創性/マリア・テレジアとハイドン/高まる名声/オラトリオ《トビアの帰還》の作曲と音楽家協会/オペラ漬けの日々へ
高まる名声、深まる孤独──エステルハージ家時代 二(一七八〇~一七九〇)
外の世界への眼差し/アルタリア社と「弦楽四重奏曲 作品三三」/ロシア大公夫妻のウィーン来訪/スペインとの関係/《十字架上のキリストの最後の七つの言葉》の作曲/ロンドンからの誘い/パリでのハイドン人気/「パリ交響曲集」のその後/ナポリからの委嘱/ヨーゼフ二世のウィーンとハイドン/モーツァルトとの交友/幻のオペラ作曲家ハイドン?/ハイドンの女性たち、または心に広がる荒野
自由への旅──ロンドンのハイドン(一七九一~一七九五)
ニコラウス侯の死、ロンドンからの誘い/第一回ロンドン旅行/「ザロモン・コンサート」最初のシーズン/幻に終わったオペラ/ロンドンでの音楽生活──一七九一年/ハイドン、法廷に立つ/名誉博士号の授与/シーズン後の日々/一七九二年シーズン/ウィーンへの帰還/ベートーヴェンとの(短い)師弟関係/第二回イギリス旅行/一七九四年シーズン/旅の日々──一七九四年シーズンを終えて/一七九五年シーズン/イギリス王室との関係/帰国
老齢の輝き──ウィーン時代(一七九六~一八〇三)
再びエステルハージ家へ/晩年なき作曲家?/ゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵との出会い/ナポレオン戦争とオーストリア、そして愛国の心/オラトリオ《天地創造》の成立と初演/社会現象となった《天地創造》/オラトリオ《四季》/ハイドンの信仰心/健康の衰え、そして引退へ
蝋燭の灯は静かに消えゆく──引退、余生
グンペンドルフの終の棲家/ある大作曲家の日常/ハイドン死す?/ハイドン詣で/勲章の数々/熱狂と祝福に包まれて──ウィーン大学講堂での《天地創造》特別演奏会/この世からの別れ
■作品篇
はじめに
1 交響曲
2 協奏曲
3 弦楽四重奏曲
4 バリトンのための楽曲
5 クラヴィーアのための楽曲
6 ミサ曲
7 オラトリオ
8 劇音楽
あとがき
■資料篇
ハイドン年譜
ジャンル別作品一覧
参考文献(抜粋)
人名索引
池上健一郎著
商品詳細
発売日 |
2023/3/10 |
サイズ |
B6変 |
ページ数 |
272 |
ISBN |
9784276221734 |
楽器 |
書籍 |
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