~ギターの壁を超えるあるあるエピソード~ザセツ君が行く!EPISODE 20 もっと指を広げたい 【Go!Go! GUITAR プレイバック】

ザセツ君が行く! EPISODE 20 もっと指を広げたい

1人でギターの練習をしていると、知らぬ間に間違ったやり方をしているなんてことがある。言葉は知っていても、実際にどうやるか分からなくて、「変なクセがついちゃった!」な~んて結果にもなりかねない。方向を間違うことはあっても努力だけは怠らないザセツ君と、ギター奏法の基礎を一緒に学んでいこう!

 

プロフィール
 

【プロフィール】

左:ザセツ君 (本名: 財園寺せつ夫)

クリスマスプレゼントがまだまだ楽しみな高校一年ですが何か( ̄^ ̄) 今年はチューナーを新調しようって思ってお願いしたんだけど。。なんでクール便で届くの? えっ!?「マグロ(ツナ)」

右:ジミ先生

物理の先生で科学部の顧問。エフェクター作りが趣味で、エレキのことはこの人に訊け!と評判。老けてみられるが実は27歳。日サロ通いが欠かせない。


解説/竹内一弘 マンガ/ Dobby.

 

マンガ

 

️あきらめるのはこれを読んでからでも遅くない!

ポイント1 運指練習の心得

  左手を思い通りに動かせるようになるとギターの腕も格段にアップする。そこで、今回のテーマは左手の強化。右ページに選りすぐりのエクササイズを用意したので、毎日弾いてトレーニングしよう。

  ギターは毎日弾くことでテクニックが維持される。1日サボるとそれを取り戻すのに一週間かかるともいわれているので、強い意志をもって取り組んでほしい。

  この手のエクササイズでは必ずメトロノームなどのリズムガイドに合わせて弾こう。リズムに変なクセがつくと修正することが困難だからだ。それから、指の運動だからといってあまりに機械的に弾かないことも大切だ。無表情なギターはつまらないからね。曲を弾くつもりで練習するのがコツ。

  練習時は生音で構わないが、たまにはアンプ(シミュレーターでもOK)を通して弾くこと(図1)。エレキギターは開放弦が勝手に鳴るのでミュートが大切だが、生音ではミュートの加減がわからないからね。左手主体のエクササイズになるが、実はピッキングのトレーニングでもあるので、ピックの握り方、その力加減、角度、右手のフォームまで意識して、エクササイズしながら自分にとってのベストな弾き方を固めていこう。なお、Exに記した運指(指の指定)は、図2を参照のこと。

 

図1・2

 

ポイント2 毎日のエクササイズ

 

Ex-1

 

  ▲まずは基本的なトレーニングから始めよう。左手は、一度押さえた指は弦が移動するまでは押さえたままにしておく。これは指を広げるための訓練にもなる。フレットのキワを押さえてクリアな音が出るように心がけよう。左右の手のタイミングを合わせることも意識したい。特に、後半の下行ラインは音が途切れないように要注意だ。一往復したら全体に1フレット上げて(6弦2フレットからスタート)、小指が12フレットに到達するまで続ける。

 

Ex-2

 

図3

 

  ▲Ex-1の発展形で、4本の指で5音の動きを自由に作る、なかなかハードなエクササイズ。図3の組み合わせ例を参考にして、自分の苦手パターンを作って集中的にトレーニングしよう。ひとつのパターンだけを練習していると次第に指が慣れてきてうまくなった気になるのだが、別のパターンを弾くと指がスムーズに動かないということもある。つまり、臨機応変にあらゆる運指に対応する瞬発力と、指の独立性を高めるエクササイズなのだ。

 

Ex-3

 

図4

 

  ▲薬指、小指それぞれ単体ではけっこう指は動くものだけど、この2本を組み合わせると途端に動きが鈍くなる。これは誰だってそうだ。机に手を置いて各指を1本ずつ上に上げてみよう。薬指だけあまりあがらないよね。ピアノの世界では薬指を“死に指”表現するほど思い通りに動かない。このエクササイズはそんな薬指を鍛えつつ、小指との独立性も高めるものだ。人差指は3弦5フレット、中指3弦6フレットを“押さえたまま”で弾こう(図4)。

 

Ex-4

 

  ▲1音ごとに弦が移動する、運指とピッキングの両方に効果があるエクササイズ。左手は押さえ損なわないように弦の間隔を指に覚えこませるイメージ。右手も同様に弦移動でのミスピッキングをなくすためのトレーニングになる。ピッキングはオルタネイトで弾こう。実際の曲の中でこんな運指はめったに使われないが、このエクササイズが弾けるようになれば、他のフレーズも安定して弾けるようになるだろう。

 

Ex-5

 

  ▲これはディミニッシュのコードアルペジオで、小指の強化や複雑な運指への対応、ピッキングの安定化など、複合的なエクササイズになる。実際のフレーズでもこのような動きは使うので、実践的なトレーニングでもある。かなり難しいフレーズだが、雑に弾かずに自分がどこでつまずくかを把握しながら、そこを意識して弾くと効果的だろう。このあとは、1フレットずつ上がっていき、小指が12フレットに達するまで弾き続けよう。

 

コラム ギターを持たずにトレーニング

  学校や電車の中でギターを弾くわけにはいかないけど、きっとキミの頭の中はギターのことでいっぱいなんじゃないかな。ここでは、ギターがなくてもできるちょっとした指のトレーニングを紹介する。
まず、机か膝に力を抜いた状態で左手を乗せる。指は軽く曲がった状態だ。そして「3(薬指)、4(小指)、 3、4」とリズムを叩いてみよう(図5)。このとき、使っていない中指もつられて動いてしまうかもしれないが、そうならないように他の指の指先は机にしっかり固定。他にも「2、3、2、3」や「2、4、2、4」など、色んな動きでリズムを刻んでみよう。これは指の独立性を高めることと、リズミカルに指の動きをコントロールするためのエクササイズだ。

図5

 

ザセツ君

 

(Go!Go! GUITAR 2015年2月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

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