~ギターの壁を超えるあるあるエピソード~ザセツ君が行く! EPISODE 18 演奏中に弦が切れちゃった!!【Go!Go! GUITAR プレイバック】
1人でギターの練習をしていると、知らぬ間に間違ったやり方をしているなんてことがある。言葉は知っていても、実際にどうやるか分からなくて、「変なクセがついちゃった!」な〜んて結果にもなりかねない。方向を間違うことはあっても努力だけは怠らないザセツ君と、ギター奏法の基礎を一緒に学んでいこう! 【プロフィール】 左:ザセツ君 (本名: 財園寺せつ夫) いよいよ学園祭本番! 町内会のみんなも観に来てくれるそうで、気合いが入ります。え!?音楽業界関係者も来るって!? いやいや、その人はCDショップ「浜屋レコード」のご主人ですので! 右:ジミ先生 物理の先生で科学部の顧問。エフェクター作りが趣味で、エレキのことはこの人に訊け!と評判。老けてみられるが実は27歳。日サロ通いが欠かせない。 解説/竹内一弘 マンガ/ Dobby. 練習やリハーサルで弦が切れたら、一旦演奏をストップして張り替えればよい。問題はライブ本番で弦が切れたときだ。本番で演奏を止めてしまうと観客もシラけてしまうし、せっかくのライブがぶち壊しだ。弦が切れても弾き続ける、これしかない! 切れるのはほとんどの場合1弦か2弦なので、ごまかしながらでもなんとか弾き続けよう。ブリッジをフローティングさせたアーム付きのエレキギターの場合はチューニングがかなり狂ってしまうので、例えばAメロに入ったら一旦、自分だけ演奏から抜けて数十秒の間に大まかにチューニングする。このようにしてその1曲を何とか乗り切ろう。 大切なのはその後の対応だ。曲が終わったらメンバーに弦が切れたことを伝え、ボーカリストに数分程度MCをしてもらうなどして時間を稼ごう。その間に素早く弦交換だ。気持ちは焦っているだろうけど、そこは表情に出さず、余裕のふりして手際良く弦を張り替えよう。 図1に対処と対策をまとめておいた。 アコギやレスポールなどトレモロアームがないギターは、弦が1本切れてもそんなにはチューニングは狂わないが、アーム付きのギターは目も当てられないほどチューニングが狂ってしまう。そのため、チューナーを使った素早いチューニングが必須となる。 最近はクリップタイプのチューナーを装着することが多いと思うが、それはギター本体の振動によってピッチを検出するものなので、ベースやドラムが大音量で鳴っている状況では動作が不安定になる可能性が高いので注意しよう。ライブで使うのに最も手軽なのはペダルタイプのチューナー。チューニング時にアンプからの音をミュートしてくれるので静かで確実なチューニングが可能。 または、ボリュームペダルかラインセレクターをエフェクターボードに組み込む方法もあり、据え置きタイプのチューナーを使いたい場合に有効(図2)。据え置きタイプのチューナーを直列でつないでいると、チューニング時にアンプから音が出てしまう。アンプの電源を切ったり、ボリュームをゼロにすることは本番中は避けたいので、ギターの信号をアンプとは別の経路に導くためのセッティングだ。 本番中に弦が切れることは冷や汗ものなので、まずはそうならないように日頃から対策しておくことも大切だ。使い古した弦は切れやすいので、本番前日には新しい弦に交換しておこう。次に弦とピックの相性も検討したい。日頃からよく弦を切るとしたら、もしかすると弦のゲージに対してピックが硬すぎる可能性もある。細い弦には柔らかいピック、太い弦には硬いピックが一応の決まりと思って大丈夫。ライトゲージの弦にHeavyのピックを使って目一杯ピッキングしたら、弦が切れる確率も必然的に上がる。 そして意外に見落としがちなことだが、本番でのモニターの状態もしっかりチェックしよう。自分のギターの音が聴こえにくい状況ではつい力一杯ピッキングしてしまうからだ。普段通りに弾けるように、本番前のリハーサルでギターの返し(モニターの音量)が適切かをしっかりチェックしよう(図3)。 最後に、もっとも無難な対策はスペアのギターを用意しておくことだ。これはギターを2本持っている場合に限るけどね。 多くの場合、弦が切れる場所はブリッジのサドル部分だろう。サドルには常に弦が乗っかっている状態なので、弦の溝ができるなどして表面が滑らかになっていないことがあり、そうなるとチョーキングしたときなどに溝に引っかかって弦が切れやすくなる(図4)。自分のギターのサドルの状態を見て、表面に溝があったり傷ができているなら交換したほうがよいだろう。また、弦のメーカーを変えてみるという手もある。...