1人でギターの練習をしていると、知らぬ間に間違ったやり方をしているなんてことがある。言葉は知っていても、実際にどうやるか分からなくて、「変なクセがついちゃった!」な~んて結果にもなりかねない。方向を間違うことはあっても努力だけは怠らないザセツ君と、ギター奏法の基礎を一緒に学んでいこう!
【プロフィール】
左:ザセツ君 (本名: 財園寺せつ夫)
学園祭に出店する模擬店は、まさかのピック専門店!? 歴代のOBや顧問のツテで仕入れたピックのそのラインナップは、近所の楽器屋よりも豊富で雑誌の取材が来るほど話題に!
中央:ジョン先生
ザセツ君が通う高校の英語(グラマー)教師で、軽音部の顧問。名前だけで選んだ妻のヨーコには頭が上がらない自称・永遠の40歳。
右:剛田さつき
吹奏楽部で学園のマドンナ。軽音部に顔を出しては、高校生とは思えない超絶サックスソロで周りの度肝を抜く。実家は街の老舗ジャズ喫茶『ビバップ』。
解説/竹内一弘 マンガ/ Dobby.
エレキ用、アコギ用という区別はないが、ピックには硬さ(厚み)、形状、材質に様々な種類がある。もちろん、どれを選ぶかで弾き心地や音色が変わるので、コレというピックが決まるまでは色々なピックを試そう。
硬さ(厚み)はメーカーによって表記が違うが「図1」を頭に入れておけば大丈夫だ。
形状は、ここでは紹介しきれないほどの種類があるが、よく使われているのがオニギリ(トライアングル)型とティアドロップ型。他では、ジャズ型、ホームベース型などもある(図2)。
材質も様々だ。昔からあるのがセルロイドで、フェンダーやギブソンのピックに多い。近年は色々な素材のピックが開発されていて、トーテックス、デルリン、ナイロン、ウルテム、そして変わったものではステンレス、カーボン、アクリルや、木、石、骨なんて素材もある。大まかな特徴を「図3」にまとめておいた。
それほど高価なものでもなく、消耗品でもあるので、ピックを買い換えるときにいくつかの厚み、形状、素材を選んで試してみよう。自分に合ったピックはキミにしかわからないものだからね。チェックポイントは“弾いていて違和感を感じないこと”だ。ピックの先端が削れてくるとピッキングの感じも変わってしまうので、早めに交換しよう。
硬さ(厚み)は弾き心地に大きく影響する。基本的には、硬いピックほどしっかりした音が出るが、柔らかいタイプを使っているプロのギタリストもいるので、どれが良いかということではない。一般的には、細い弦には柔らかいピックを、太い弦には硬いピックが合っている(図4)。細い弦に硬いピックを使うと弦が切れやすくなるので注意しよう。
そして何よりも、硬さによって音色が劇的に変わるのだ。もちろん、これは素材も関係しているのだが、音色の変化がわかりやすいアコギで試すと、まるで違うギターかと思うほどガラっと音色が変わる。よくギターの音色を表すのに低音がしっかり出ているとか、中域がうんぬん……なんて言うけど、そんなのはどのピックで弾くかによって印象がまったく違うってこと。素材だが、これは言葉にすることは難しい。でも、同じ硬さのピックでも素材によって確実に音が変わるので、こだわりたい部分ではあるね。
まず、基本の持ち方が「図5①、②」だ。人差指を曲げてピックを乗せ、そのまま親指をかぶせる。しかし、親指をどの程度深くかぶせるか、ピックの先端をどれくらい出すかはギタリストによって違うので、まずは先端を1cmくらい出すことを目安にしてみよう。
なかには「図5③」のように人差指と中指でつまむように持つギタリストもいるので、弾きやすければどんな持ち方でも構わないということになるね。ストローク、カッティング、ソロ弾き、アルペジオなど、奏法によってピックの持ち方を変えるのは大変なので、どの奏法でも弾きやすい持ち方を探ろう(図6)。
(Go!Go! GUITAR 2014年11月号に掲載した内容を再編集したものです)
Edit:溝口元海
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