HOW TO

【楽譜の読み方#08】コーダ、トゥ・コーダ

【楽譜の読み方#08】コーダ、トゥ・コーダ

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。 本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。 今回は反復記号の3回目、Coda(コーダ)とTo Coda(トゥ・コーダ)について説明します。 Coda(コーダ)、To Coda(トゥ・コーダ) Coda(コーダ) Codaは、イタリア語で「尾」を意味し楽曲のエンディング部分を指します。曲の締めくくりとして通常の形式から少し離れた特別なセクションで、劇的なクライマックスや落ち着いた終わり方など、メインテーマや展開部とは異なる旋律や和声が使用されることが多いです。 楽譜上での記号は、縦長の楕円に十字を重ねたマーク「」です。 To Coda(トゥ・コーダ) To Codaは「コーダに行く」という指示で、通常はD.C.(ダ・カーポ)やD.S.(ダル・セーニョ)と併用されます。D.C.やD.S.で指定された場所に戻った後、「To Coda」の指示がある場合は「Coda」へジャンプし、曲の終わりまでを演奏します。楽曲の特定の部分を飛ばしてエンディングへ進むことで、音楽の流れを意図的に変えることができます。 【前回の復習】 D.C.(ダ・カーポ)  :曲の最初へ戻る D.S.(ダル・セーニョ):セーニョの印()まで戻る まとめ(演奏の流れ) D.C.やD.S.で指定された場所に戻る To Codaまで演奏したら、それ以降をスキップしCodaへ進む Codaから曲の終わりまで演奏する 楽譜の読み方チェック それでは、実際に譜面で小節の流れを確認してみましょう! 【例題】Coda、To Coda 【答え】 小節の最後に「D.S.」があるのでセーニョ()まで一度戻り、To Codaの位置から離れたセクションのCodaへ。 ★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→B→C→F→G」...

【楽譜の読み方#07】ダ・カーポ、ダル・セーニョとフィーネ

【楽譜の読み方#07】ダ・カーポ、ダル・セーニョとフィーネ

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。 今回のテーマは、演奏するときに意外と戸惑う「反復記号」のD.C.(ダ・カーポ)とD.S.(ダルセーニョ)そしてFine(フィーネ)。D.C.、D.S.は一文字違うだけですが、戻る場所が全く異なるため注意が必要です。 D.C.(ダ・カーポ)、D.S.(ダルセーニョ) 読みからもわかるとおり、D.C.・D.S.ともに省略して表記されています。 D.C. -「da capo」(ダ・カーポ) D.S. -「dal segno」(ダルセーニョ) 「da」「dal」はともに英語のfromのような「~から」という意味でその次の言葉が戻る場所を指し、「capo」は「先頭」、「segno」は「サイン、印」という意味なので、それぞれ以下を示します。 D.C. - D.C.まで来たら曲の最初へ戻る D.S. -「印」まで戻る 「印」…?楽譜にはたくさん「記号」がありますが、いったいどれでしょう? 昔は記号を書かずにそのままずばり「segno」と表記していましたが、近年では頭文字の「S」を図案化した「」(読みは当然セーニョ)と標記するのが一般的です。 従って、D.S.まで来たら「」まで戻りましょう。 Fine(フィーネ) 演奏終了を示すFine、読み方は"ファイン"ではなく"フィーネ"です。D.C.やD.S.で曲のはじめや途中に戻ったあと、「Fine」と表記されているところで演奏が終了となります。複縦線のうえにフェルマータ()がついている場合は省略されることもあります。「Fine」はイタリア語でendの意味。イタリア映画のラストにfineと出てくるのはそのためです。 楽譜の読み方チェック それでは、実際に譜面で小節の流れを確認してみましょう! 【例題1】D.C. 【答え1】小節の最後に「D.C.」があるので譜面の最初に戻り、終わりの意味の「Fine」で終わります。 ★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→A→B→C」 【例題2】D.S. 【答え2】小節の最後に「D.S.」があるので「印」の「」まで戻り、終わりの意味の「Fine」で終わります。★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→B→C」 楽譜には様々な音楽記号がありますので、積極的に覚えていくことで演奏がよりスムーズになります。ぜひ一緒に学んでいきましょう!次回は、反復記号の3回目「コーダ、トゥ・コーダ」を解説します。  ...

【楽譜の読み方#06】リピート記号、1番カッコ、2番カッコ

【楽譜の読み方#06】リピート記号、1番カッコ、2番カッコ

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。 本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。 第6回は、反復に関する記号「リピート記号」「1番カッコ」「2番カッコ」について説明します。 リピート記号 楽譜の同じ内容をくり返し反復して演奏することを指示する記号。終止線のように細い線と太い線の二重線の内側に、2つの点がついています。 下図のようなリピート記号(2つの点が二重線より右にある場合)は、ここよりうしろにあるリピート記号から、ここまで戻ってくることを意味します。なお、戻る場所が曲の始めのときは省略される場合もあります。     下図のようなリピート記号(2つの点が二重線より左にある場合)は、直前のリピート記号に戻ることを意味します(直前にリピート記号がない場合は曲の始めに戻る)。特別な指定がなければ1回だけ繰り返します。 この基本ルールを踏まえて譜例を見てみましょう!   【例題1】 【ヒント】 Dの後ろにあるリピート記号から→ 直前のリピート記号に戻る! 【答え】 A→B→C→D→C→D【例題2】   【ヒント】 直前にリピート記号がない場合は曲の始めに戻る! 【答え】 A→B→A→B→C→D【例題3】   【ヒント】 リピート記号が連続する場合は、細い線は省略されることがある!【答え】A→B→A→B→C→D→C→D 3つの譜例の演奏順、頭のなかで連想できましたか? 慣れないうちは、演奏する前にA-B-C-D-C-Dという風に書き出してみるといいでしょう。 1番カッコ、2番カッコ リピートでくり返して演奏するときに、最後の部分(1~数小節のことが多い)だけ内容が異なる場合に、この記号を使います。 1番カッコ くり返しの際に、1回目のみ演奏します。リピート記号で一度戻ったあとの2回目は演奏しません。...

上達の秘訣はギターのコンディションに有り!! ギターメンテナンスのススメ<実践編:ストラトキャスター> 【produced by Go! Go! GUITAR #05】

上達の秘訣はギターのコンディションに有り!! ギターメンテナンスのススメ<実践編:ストラトキャスター> 【produced by Go! Go! GUITAR #05】

今年もギターの“大敵”、梅雨シーズンが到来。湿気対策はもちろん、雨で家にいる時間が増えるこの時期、ぜひご自身の楽器の状態をチェックする良い機会。今回は基礎編に続き、リペアショップなどで行われるプロのメンテナンス作業を紹介します。 構成/Go! Go! GUITAR編集部 取材協力/草野豊(kusakusa88) ◆この記事で学べること ・メンテナンス手順01:状態確認〜クリーニング準備 ・メンテナンス手順02:ボディーのクリーニング〜ネック調整 ・メンテナンス手順03:電装系の確認・調整〜組み直し ・メンテナンス手順04:弦高・オクターブ・ピックアップ高調整〜最終チェック     実際のメンテナンス作業を見てみよう    楽器店やリペアショップなどにギターのメンテナンスを依頼するケースは、不具合・不調の解消を目的とする場合と、ベストコンディションに保つことを目的とする場合とがあります。プロミュージシャンや頻繁にライブ活動をしている人以外、なかなか普段使いでギターをメンテナンスに出す習慣はないかもしれません。普段自分自身で楽器の調整を行なっている人でも、定期的にプロのメンテナンスを受けることで大切な楽器がその性能を100%発揮できる環境を整えられるのでオススメです。 ここではリペアショップに持ち込まれたギターを実際にメンテナンスする工程を順を追ってご紹介します。あくまでも作業工程は一例となりますが、プロのリペアマンがどのような作業をしているかを見ていきましょう。   ◇対象機種:フェンダー ストラトキャスター   〜今回のメンテナンスメニュー〜 ※順不同 ギターの全体セットアップ(調整) ・ロッド(ネック調整) ・オクターブ調整 ・弦高調整 ・ピックアップの高さを含めた電装チェック ・ナット溝調整 全体クリーニング   メンテナンス手順01:状態確認〜クリーニング準備  ...

上達の秘訣はギターのコンディションに有り!! ギターメンテナンスのススメ<基礎編:普段のお手入れと保管方法> 【produced by Go! Go! GUITAR #04】

上達の秘訣はギターのコンディションに有り!! ギターメンテナンスのススメ<基礎編:普段のお手入れと保管方法> 【produced by Go! Go! GUITAR #04】

ジメジメした梅雨時を越え、うだるような暑さの真夏に突入するこの時期、ギターにとっては寒暖差や湿気など厳しい環境と言えます。刻々と変化するギターのコンディションを常にベストな状態でキープすることは演奏面・サウンド面のどちらにとっても非常に大切です。基礎編となる今回は、普段から気を付けておきたいメンテナンスのポイントや、作業方法などを紹介します。 構成/Go! Go! GUITAR編集部 取材協力/草野豊(kusakusa88) ◆この記事で学べること ・日常のお手入れ ・上手な保管方法 ・調子が悪いな、と感じたら     日常のお手入れ   日頃、ギターを弾き終わったらひんぱんに清掃してきれいな状態を保っていると、楽器を良い状態でキープできるだけでなく、何か不調を感じた場合に原因を特定しやすくなります。逆に、弾いたあとそのまま放置していると楽器全体のコンディションが下がったり、汚れがもとになってさまざまな不具合に発展する恐れもあります。 練習後のお手入れ方法   練習したあとは汗や手アカ、油脂などでギター本体やパーツ類に汚れやくもりだ出ます。そのままにして時間が経つと乾いて拭き取りにくくなる上、弦や金属パーツのサビの原因にもなります。演奏のあとはこまめに拭くようにしましょう。   ★POINT1「ネック裏&ボディ」 通常の練習後は市販のクロスでから拭きをするだけで汚れを落とすことができます。しばらく弾かない場合や汚れがひどい時には専用のギターポリッシュを軽くクロスに取って使い、きれいなクロスで完全に乾くまで拭き上げましょう。     ★POINT2「ペグ&ブリッジ」 ペグやブリッジなどの金属パーツも基本は何もつけずにから拭きするだけでOKです。くすんできてしまった場合には市販の金属磨き(研磨剤)を使用することで輝きを復活させることができますが、メッキ塗装されたパーツなどは塗装がはがれてしまうので使用できないので気を付けてください。また、周囲の木材やボディの塗装などに研磨剤がつかないようにマスキングテープで保護をするなど対策しましょう。     ★POINT3「弦・指板&フレット」 弦は汗や手あかなどをそのままにしておくとサビるのが早くなるので、弾き終わったらすぐにクロスで1本ずつつまむように拭きましょう。指板も合わせて拭いておくと汚れがたまりづらくなります。弦交換時や汚れが目立つときはレモンオイルなどをクロスに適量取って拭き上げましょう。フレットは金属製なので使っているとくすんできます。市販の金属磨きや専用のフレット磨きなどを使うときれいになります。使用する際は指板をマスキングテープなどで保護しておきましょう。    ...

アコースティックギターのハイテクプレイに挑戦!! 【produced by Go! Go! GUITAR #03】

アコースティックギターのハイテクプレイに挑戦!! 【produced by Go! Go! GUITAR #03】

アコースティックギターの奏法と言えば、ピックでコードをジャカジャカとストロークしたり、フィンガーピッキングでアルペジオを奏でたりするのが一般的。ロックなサウンドで派手に演奏するエレキギターに比べると地味な楽器だと思われがちだが、アコギにも派手でカッコイイテクニックが数多く存在する。今回はそんなアコギのハイテクプレイの基本を紹介しよう! 解説/松居悠太(『絶対にわかる! 弾けるハイテクアコギプレイ』より) 構成/Go! Go! GUITAR編集部 ◆この記事で学べること ・右手奏法の基本1「ネイルアタック」 ・右手奏法の基本2「ラスゲアード」 ・低音弦と高音弦を分けるピッキング ・スラム奏法にチャレンジ!   右手奏法の基本1「ネイルアタック」    まずはじめに習得してほしい奏法が「ネイルアタック」です。このあとの奏法もネイルアタックのストロークが基本となりますので、ここでしっかり弾けるようにしておきましょう。 ネイルアタック・ストロークはダウンピッキングでは中指と薬指を打弦すると同時に、掌の親指下(Palm)でボディーを叩いています。アップピッキングでは人差指のみ、または人差指と中指の2本で行います。2本同時で行う場合は指をしっかり揃えてピッキングしましょう。ダウンストローク時に手首を少しひねるようにしてパームをボディーにぶつけて同時にピッキングするのがポイントです。   ネイルアタックの構え   パームでボディーを叩く場所     ダウンストロークの準備   ネイルアタックのダウンピッキング   アップピッキング      ...

1フレーズ5分ずつ弾く! 基礎力を鍛えるギターワークアウトフレーズ 【produced by Go! Go! GUITAR #02】

1フレーズ5分ずつ弾く! 基礎力を鍛えるギターワークアウトフレーズ 【produced by Go! Go! GUITAR #02】

今回はギター演奏、特に弾き語りやバンド演奏における伴奏で必要になる基礎力を鍛えるためのエクササイズ“ワークアウトフレーズ”を紹介しよう。1つのフレーズを1日5分弾くことで、次第に実力アップが実感できるハズ。30秒×10回、1分×5回…といったように、区切りながらトータルで5分のエクササイズにレッツトライ! 構成/Go! Go! GUITAR編集部 ◆この記事で学べること ・エレキギターワークアウト  ピッキング/フィンガリング/メジャースケール/アルペジオ/カッティング ・アコースティックギターワークアウト  8ビートストローク/16ビートストローク/8ビートカッティング/3フィンガーピッキング/ハイブリッドピッキング   エレキギターワークアウト   01~05はエレキギターのエクササイズ。ピッキングとフィンガリングを鍛えるフレーズからアルペジオやカッティングまで、実際に曲を演奏するときに身につけておきたい基礎力を磨こう。 (以下、引用『ギターワークアウトブック』より) ■01 開放弦を使ったピッキング      ダウンピッキングとオルタネイトピッキング、1小節目は8分音符でダウンピッキングのみ、2小節目は16分音符でオルタネイトピッキングで行う。16分音符を弾くときはテンポが遅れてしまわないようにメトロノームなどを使って練習するといいだろう。 ピックの構え方には一般的に“水平アングル”と“順アングル”とあるが、それぞれの弾いたときの感触や音色の違いなども確認しておこう。 ■02      6弦から1弦までのフィンガリング      6弦から1弦までの上行では、次の弦に移るまで先に押さえた指は押さえたままにしておく。実際の曲などを弾く場合では必ずしもこれを守る必要はないが、左手の綺麗なフォームを身につけるのに効果的なトレーニングである。   6弦5~8フレットを1指1フレットで押弦している状態。   ■03 ハイポジションで弾くCメジャースケール      7~10フレットで弾くトレーニングだ。始めはダウンピッキングだけでも構わないが、最終的にはオルタネイトで弾けるようにしよう。弦が移るタイミングに関係なく、ピッキングのダウン/アップは規則的に行う。...

買ったその日に音が鳴らせる! アコギ&エレキ両対応 ギターはじめの一歩 【produced by Go! Go! GUITAR #01】

買ったその日に音が鳴らせる! アコギ&エレキ両対応 ギターはじめの一歩 【produced by Go! Go! GUITAR #01】

この春からギターを始めるビギナーのみなさんがスタートダッシュできるように、ギターを買ったその日に知っておきたい演奏の基本を紹介します。ギター上達のためには基礎を押さえることが不可欠! アコースティックギターとエレキギターで共通しているポイントも多いので、どちらの人も順番に進めていきましょう。 構成/Go! Go! GUITAR編集部 ◆この記事で学べること ・正しいフォームを身につけよう ・各弦をチューニングしよう ・弦をはじいて音を鳴らそう     【01】正しいフォームを身につけよう    正しい姿勢で演奏することは演奏の上達はもちろん、余計な負荷をかけて手首や肘などを痛めてしまわないためにも気を付けましょう。 ■ピックの種類    ピックの形状にはいくつかの種類がありますが、主流は正三角形に近い「トライアングル型(オニギリ型)」と、縦長の「ティアドロップ型」の2種類です。どちらも幅広く使われていますが、アコギではトライアングル型、エレキではティアドロップ型が使われることが多いようです。  材質はセルロイド製が中心ですが、表面がよりなめらかですべりがよいデルリンや、逆にすべりにくく加工されたトーテックス、人間の爪にもっとも近いとされるウルテムといった素材のピックも増えています。   トライアングル型(左)とティアドロップ型(右)のピック。   (引用:『アコースティックギターの教科書』より)     ■ピックを持ってみよう ピックは、右手の親指と人差指ではさんで持ちます。強く握りしめずに軽くつまむように持ちましょう。先端を指からどれくらい出して持つかは、演奏の内容によって弾きやすいように調整します。コードを弾くときは1センチ程度出し、メロディーを弾くときはそれほど出さずに持ったほうが弾きやすくなります。   親指と人差指を交差させる。他の指は自然に軽く曲げておく。   親指のハラと人差指の側面でピックをはさみ、親指から1センチぐらい見えるように持つ。  ...

【楽譜の読み方#05】タイとスラー、スタッカートとテヌート

【楽譜の読み方#05】タイとスラー、スタッカートとテヌート

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。 本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。 第5回は、音符のつながりや演奏方法を示す音楽記号「タイ」と「スラー」、「スタッカート」と「テヌート」について説明します。   タイ(tie)、スラー(slur) どちらも音符を線で結び付けている音楽記号。でも意味は全然違います。見分け方は【同じ高さの音をつないでいるかどうか】を見てみましょう。 同じ音をつないでいる場合は(タイ)、違う音をつないでいる場合は(スラー)となります。 タイ (タイ)は弧線でつながれた音符をひとつの音として演奏します。したがって下図のような譜面があったとすると8分音符ではなく4分音符として演奏してくださいという意味になります。 それならば、初めから演奏する音符の長さで書けばいいのではないか?と思うかもしれません。 しかし、(タイ)をすべて通常の長さの音符で表記されると、リズムがわかりにくい譜面になってしまうのです。 下の譜面は、両方とも同じ音符を現しています。 左の楽譜は(タイ)を使わず通常の長さの音符で表記し、右の楽譜は(タイ)を使って表記しています。ぱっと見たときに、右の譜面のほうがリズムがわかりやすくなっていますね! また、それ以外にも、(タイ)を使うことによって通常の音符では表現できない長さの音符を作ることができます。音符で一番長い音符は全音符ですが、2小節ぐらい同じ音を鳴らし続けたい場合、全音符では表記することができません。そこで(タイ)を使って音をつなげてあげることにより2小節の音符を作ることができます。 スラー (スラー)は高さの違う複数の音符にある弧線で、「この記号のつけられた範囲の音符は音と音の間を滑らかに演奏する」という演奏方法です。   このように演奏方法になりますので、滑らかに演奏するということだけでなく、フレーズのひとくくりや、メロディの区切りとしても表記されることがあります。 したがって、(タイ)が書かれた場所にさらに(スラー)が表記されるという事も当然ありえます。 ▼まとめ (音の長さは「タイ」、演奏方法は「スラー」と覚えておきましょう! 同じ音をつないでいるのは(タイ)  ・・・ 音の長さ 違う音をつないでいるのは(スラー) ・・・ 演奏方法 スタッカート(staccato、stacc.)、テヌート(tenuto、ten.) 音符の上または下についている小さな印で、どちらも音符の特定の部分を強調したり、その演奏方法を指示する音楽記号。 音符の上または下に点がついている場合は(スタッカート)、線がついている場合は(テヌート)です。 スタッカート (スタッカート)は、音を短く切って演奏します。  イメージとしては、楽譜には書かれていない休符が、記号のついた音符の後に入る感じです。記号のついた元の音符の長さの半分くらいに短く切って演奏するのが定番ですが、曲のテンポや雰囲気によって自由に解釈できます。...

【楽譜の読み方#04】臨時記号と調号 

【楽譜の読み方#04】臨時記号と調号 

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。 第4回は、音の変化を示す「臨時記号」と「調号」について。「臨時記号」は楽譜上で一時的に音を変化させ、「調号」は楽曲を通して特定の音を変化させます。 (曲の途中で転調した場合調号が変わることもあります。) 臨時記号 臨時記号とは 曲の途中である音の高さを一時的に変化させる記号で、主にシャープ(♯)、フラット(♭)、ナチュラル(♮)の3つが使われます。それぞれ、記号の右側に書かれた音符の音を半音高くする(シャープ)、半音低くする(フラット)、または自然な音高に戻す(ナチュラル)効果を持ちます。 例えば、ハ長調の楽曲でハの音(ド)を半音上げる場合は、その音符の直前に♯を記述するとドがド♯に変化します。 記号 読み方 意味 # シャープ 半音高くします。 ♭ フラット 半音低くします。 X ダブル・シャープ 変化記号(#)によってすでに半音高められている音をさらに半音高くします。 ♭♭ ダブル・フラット 変化記号(♭)によってすでに半音低められている音をさらに半音低くします。 ♮ ナチュラル 上記の変化記号を無効にして元の音に戻します。 臨時記号のルール 臨時記号の効果範囲には以下のルールがあります。 ・記号のすぐ右の音符からその小節内に限り有効で、次の小節からは無効 ・ただし、記号付きの音符とタイでつながれた音符は小節をまたいでも有効(「タイ」は次回解説します。) ・1オクターヴ以上離れた音については無効...